三重在住のプレイヤー様からのご依頼で、キムの修理をしました。
キムはタイのハンマーダルシマーで、構造もハンマーダルシマーとよく似ています。
依頼内容は、強く叩くと不協ノイズ(ザワザワ音)が発生するとのこと。
パッと見たところブリッジやピンに不具合がなさそうなので、ロゼッタを外して確認。
すると、内部にバリ、ヒゲが多数あり。弦を強く叩くとこのバリ、ヒゲがビビってノイズを発生させていたようです。
キム内部の穴あけ跡が未処理のためこのようになっていました。
原因がわかればあとは処置をするだけ。
今回はバリとヒゲを落とすことで無事ノイズが出なくなるようになりました。
錆びた弦を磨き、切れた弦を張り直して補修完了。
また、演奏には直接関係ありませんが、キムの蓋にひび割れがあったためこちらも補修。
(一言想)
今までに3台のキムを修理しましたが、いずれも木がソフトなこと、乾燥が十分でないことなどから弦の圧力に負けてボディに狂いが生じていました。今回の楽器はそのへんはマシなようでしたが、製作時に穴あけ加工後の処理がなされていないということが不具合の原因となっていました。見えないところも丁寧にきちんとしないとね。