カンテレの大御所プレーヤーK様より、中型のカンテレの修理を承りました。美しいカーブを描いた側板が真っ直ぐに戻りたくて跳ねてしまい何年も経ってしまったというもの。 側板とカバー板は元の真っ直ぐに戻りたくて跳ねてしまいました とにかく側板を外します。 カバーはずいぶん真っ直ぐに戻ってしまって固まっているし、側板も本来のカーブからはみ出している 側板内部はぐずぐずです。接着剤は木口から吸い取られてぜんぜん効いていなかったのでしょう。 跳ねた側板をクランプで締めるために治具を作りました。 反対側も半円形ではクランプがかけられないのでクランプ治具を作成 隙間にエポキシ樹脂を注入して大型クランプ4本で締め上げます。 カーブに沿って曲がったのに収縮していて長さがたりません。隙間に木材を挟み込んで2度と跳ね戻らないように、不本意ながら3箇所ネジ止め。1番上はカバーで隠れてしまうからそのままでいいけど、外から見ええる下2つのネジは埋めて木のダボでカバーします。 部分塗装 カバー板 湿気を加えてアイロンで曲げようと試みましたが、結構厚いのでびくともしません。 曲げる内側にノコでスリットを入れてから治具にはめてクランプで曲げます。希望の形になったところでスリットに接着剤を注入。クランプを外してもカーブは保持されます。右にあるのはハンガリアンシター次の修理 サンバーストの色合わせは難しい。 ルーズなチューニングピンを埋め直して、完成です。フィンランドのクールな音色が聴こえてきそう。